第17回高校生プレゼンフェスタ

昨日、「第17回高校生プレゼンフェスタ」(早川則男委員長)があった。会場は昨年と同様、地下鉄・清澄白河駅にほど近い深川江戸資料館である。テーマの方は、リピーターの生徒のことも考えて、「江戸・東京の暮らし再発見」と変えている。

東京、埼玉の8校から集まった生徒30名が、5つのチームに分かれてプレゼンづくりに挑戦する。ちなみに今年の参加校は、海城高校、所沢北高校、啓明学園高校、日大一高、中村高校、正則高校、目黒学院高校、Kインターナショナルスクールである。

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同じ会場での開催とあって、資料館スタッフの方々との共通理解もあらかじめできているため、流れるようにプログラムが進んでいった印象がある。

(下の写真。両角、小宅チームのウォーミングアップ風景。よく練られたプログラムのせいで、参加者の雰囲気が一気になごむ)

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下の写真は、 総合ガイダンスの途中にはさんだ教員デモンストレーションで、タイトルは「初午の前」。長屋の助け合いの暮らしを描いたスキットを、昨年とは一部キャストを変えて再演している。

昨年も好評だったが、今回も日本教育新聞の佐原記者をして「一気に心をつかまれた」といわしめる熱演ぶりだった。(写真は、林、藤田、吉田、栗原チームの演技)

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総合ガイダンスは、藤牧朗ファミリーが担当。43枚のフリップを用意したKP法によるガイダンスは、もはや「てっぱんプログラム」の域である。

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昨年、展示資料そのものをハンズオン教材としてプレゼンで使わせていただいたのだが、今年はそれが更に進化し、本番の発表では、揚げ物などの食品サンプルが効果的に使われただけでなく、天秤棒をかついだ物売りまで登場するにぎやかなプレゼンになった。

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展示されているモノを手掛かりに使った発表が多かったせいだろうか。例年にくらべて、動き出しの早いチームが多く、その分、時間のマネジメントもうまくいった印象である。

5チームの発表をみると、江戸庶民の環境意識、防災意識、コミュニティのつながりに注目するものが多く、発表技法ということでいえば、クイズ・ショー、ニュース・ショー、スキットなど多彩な形式が使われているのが目立った。


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教師側の新機軸として、ふり返りの時間の運営がある。他チームの発表についてのコメントを、生徒たちがポストイットに書いて壁に貼り出し、それをみんなで共有する手法だ。

これは、ふり返り担当のひとりである小菅望美さんが、藤光由子先生(パリ日本文化会館)のやり方に倣ったもの。パリの発表会に参加して学んできたのだ。

(下の写真は、コメントの木。これに桜色のコメント・シートが一斉に貼り出される。立膝の二人がふり返り担当の次重、小菅ペア)


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パリ行きの成果が早速あらわれた形である。


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今回は、英語、中国語、韓国語のバックグラウンドをもつ生徒も多く、ひときわ多文化的な雰囲気のプレゼンフェスタだった。


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生徒のふり返りの工夫のほかに、新しい動きがもう一つあった。それは、獲得研側のふり返りセッションに、資料館のスタッフの方々も参加してくれたことだ。

ふり返りの時間を両者で共有できたのは、今後の連携をさぐるうえでもとりわけ意義深い動きだといえる。


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プレゼンフェスタの運営をめぐるチームワークの成熟ぶりをみるにつけ、「プレゼンフェスタ方式であかり座地方公演をやる」というプランが、いよいよ現実味を帯びてきた印象である。

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