3月25日に卒業式、謝恩パーティーがあり、久しぶりに卒論ゼミのメンバーが勢ぞろいした。写真の表情からお分かりの通り、ひとりひとりの人柄といいまたチームワークといい、じつに申し分のないゼミだった。
わたしの卒論指導は、できるだけ本人の問題関心を尊重し、その問題関心に添って一緒に論文の完成をめざすというやり方である。グループワークもタップリ入れて、ゼミ生同士のディスカッションやアドバイスも大切にする。
一直線にゴールを目指すというやり方ではないので、それぞれ試行錯誤にかなり時間を割くことになるのだが、その分自分たちでやり切ったという充実感が残る。新しいタイプのテーマに挑戦しようという猛者があらわれるのもゼミの特徴である。
謝恩パーティーは、卒業生の98ペーセントが参加するちょっと例のない盛況ぶり、ゼミ生の五十棲さん、柳田くんが幹事で、その司会進行がまた見事なものだった。
秋の頃だったと思うが、とつぜん研究室に現れた2人が、卒業生へのメッセージが欲しい、ついては10分後に動画を撮影するのでいますぐメッセージを考えてくれという。こうして、いつも3年のゼミでやっている半即興プレゼンを、わたし自身がやるはめになった。
それで、私たちはみな、他者とコミュニケーションをとりながら成長を続ける表現者である、表現者としての自分の特質を知って、良質なネットワークをつくること、そのネットワークが人生をきっと豊かにしてくれるだろう、といったようなことを話した。そのとりとめのないメッセージが、当日上映された「ふり返りビデオ」に見事に編集されている。ああ、こんなに時間と労力をかけて、パーティーの準備をしていたのかと驚いた。
花束贈呈で、ゼミ生全員とハグしたのもはじめてのこと。きっと卒業後も、彼らと長くつながっていくことになるのだろうなあと感じさせられる、なんとも爽やかな一日だった。