生家の垣根の半分がユキヤナギとあって、開花期ともなると、ほわほわっとした白い壁が出現する。ただ、10年前はみるも無残な姿だった。大雪で垣根全体がペシャンコになってしまったのである。もうダメかなあ、といったんはあきらめかけたのが、植物の再生力というのはすごいもので、支えを施したらみごと数年で元に戻った。
この一件があってから、心なしか植物の多様性が増した気がする。ガマズミなどいろんな植物がユキヤナギに混じるようになり、剪定していると山椒の良い香りもしてくる。手抜きと言われそうだが、混植の垣根というのも、これはこれで面白いと思う。
垣根のもう半分はヒバである。ヒバの垣根は緑一色だから、まったく愛想というものがない。ただ、ヒバは強い刈り込みにも耐えるし、なにしろ手入れが楽だから助かる。
時間の節約もかねていろんな庭道具を使う。今回の道具はこれ。“枝打ち一発”は、なんと5メートルの高さまで伸びて、しかも切れ味抜群、使いこなすのにちょっと腕力がいるが最近のヒットだ。
庭の手入れをしていると、いつも何かしら発見がある。以前は白い菫が咲いていたあたりに、気がつくとリンドウが咲いていたり、あることさえ知らないでいたキササゲの若木が、いつの間にかたくさん実をつけていたりするのだ。
もっとじっくり植物に向き合えたらなあといつも思うのだが、当分は無理だろう。秋田高校の同級生の堀井伸夫くんが、やはり同じ悩みを抱えている。それで、リタイアしたらお互いの庭を行き来して庭仕事の交流をしようじゃないか、という話になった。
先の楽しみができたのは、嬉しいことである。