日別アーカイブ: 2015/09/13

大学院のゼミ旅行―福岡

福岡・唐津・大宰府 005

福岡、唐津、大宰府をめぐる3日間の研修旅行である。帰京後に、豪雨被害の凄さを実感することになるのだが、旅先ではさほど雨の影響がなかったから、毎日1万5千歩ほど歩けた。(写真:西南学院大学のキャンパスを抜けて博物館へ。大きな松の木がたくさんある)

福岡・唐津・大宰府 007

今年のテーマは、黒田官兵衛(如水)・長政親子の活動にある。その関連では、福岡市博物館の「大関ヶ原展」が圧巻だった。豊臣秀吉自筆の遺言状案、黒田如水自筆書状、銀箔押一の谷形兜・黒糸威五枚胴具足(長政所持)など、280点余りの資料がでている。

この特別展では、家康を勝利に導いた人物として長政にフォーカスが当てられているところが大河ドラマ「黒田官兵衛」と違っている。

福岡・唐津・大宰府 019

唐津藩は、江戸期を通じて城主が六代(寺沢、大久保、松平、土井、水野、小笠原)変わった。名護屋城の解体資材を利用してつくったという唐津城周辺の石垣がとりわけみごとである。15億円かけて、いまも解体修理が進んでいる。(写真:唐津城から名勝・虹ノ松原をみる。風強く波高し)

福岡・唐津・大宰府 059

さすが焼き物の町・唐津だけあって、あちこちに唐津焼のお店があり、伝統のデザインを踏襲した作品がたくさん並んでいる。(写真:みんなで絵付けに挑戦。わたしは民画風に描いてみたが、さて出来上がりはいかに)

福岡・唐津・大宰府 064

大宰府訪問は、久しぶりである。すっかり明るくなった天満宮の参道が、台湾の観光客でごった返している。(写真:駅前で降っていた雨が上がり、一転、まぶしいほどの快晴に)

福岡・唐津・大宰府 070

天満宮は、大宰府政庁からみて東北の方向に位置する。イメージとしては、平城宮と東大寺の位置関係だろうか。(写真:男性陣は、修論の神頼み?)

福岡・唐津・大宰府 074

それに対して、政庁のすぐ東、いわば中心部に位置するのが観世音寺である。筑紫観世音寺は、東大寺、下野薬師寺と並んで「天下の三戒壇」の一つ、西海道第一の寺院としての位置をえていたらしい。

日本最古の梵鐘(国宝)と18体の立派な仏像(いずれも重要文化財)をもつ寺だ。(写真:小金堂、右手に大講堂がある)

福岡・唐津・大宰府 076

天台寺(岩手県浄法寺町)の鉈彫り観音からはじまるわたしの平安期地方仏行脚のうち、いちばん西に位置する訪問地がこの観世音寺だった。(写真:国宝の梵鐘はとても姿が良い。撞座の位置の高い無銘鐘である)

前回の観世音寺訪問は、もう20年以上まえのことになる。掃き清められた境内に立つと、驚いたことに、当時の印象と寸分違わない雰囲気である。天満宮の賑わいが嘘のように、静寂に包まれているせいだろうか。

教室のゼミも良いが、現地調査には別の趣がある。ことに、移動の途中やら食事の時間やらに、院生一人ひとりとゆったりおしゃべりできるのが良い。今年はそれもタップリできた。