日別アーカイブ: 2014/09/21

目黒学院中学・高等学校の発表会

桜の名所・目黒川を越えて学校に行く

桜の名所・目黒川を越えて学校に行く

昨日、東横線の中目黒駅にほど近い目黒学院中学・高等学校で、生徒の「プレゼン技法研究発表会」があり、獲得研のメンバー11人がゲスト・コメンテーターとして登壇した。遠くは、徳島大学の三隅友子先生も参加している。目黒学院は、獲得研の藤牧朗先生が進学・学習指導主任をつとめる学校である。

ちょうど中1から高2までの生徒たちが、目黒学院の悟林祭にむけてプレゼンテーションの準備をすすめている最中で、ホールを使って、その途中経過を公開するという発表会である。客席に、父母の姿もたくさんみえる。

南房総校外授業、富士登山、US/ASIAセミナーなどの成果を、16チームが順番に発表する。持ち時間は2分から5分、司会進行も生徒がやる。タイトルに「プレゼン技法」という言葉が入っているだけあって、内容はもちろんのこと発表技法も多彩である。ポスターとパワーポイントの活用が目立つが、クイズ形式ありディベート形式あり英語での発表あり、とさまざまに工夫している。

朝のホーム・ルームで取り組まれている“スピード・ラーニング”について発表したチーム(中1)は、いま身をもってプログラムの効果を検証中なので、はたして私たちがペラペラになれるのかどうか「半年後に見解を報告します」とやって会場の笑いをさそった。ブルネイの立憲君主制について発表したチーム(高2)は、洋服から帽子まで準備、国王その人に「なって」現地での見聞を分析して喝さいを浴びた。山陰の鉄道交流会について楽しそうに発表した鉄研チームは、その詳細さが裏目にでて「時間超過=発表中止」の憂き目をみた。なんとも和やかな研究発表会である。

ホール一杯につめかけた生徒たちの反応が温かい。数学の先生、国語の先生も発表者として参加していて、教科の意義と授業のねらいをそれぞれプレゼンした。これを生徒たちと横並びのプログラムでやってしまうところが凄い。それで、獲得研のメンバーが口々に「ここは家族的な雰囲気がある学校だよねえ」と感想をもらす。

今回のプログラムは、きわめて先進的なものだ。1つは、一貫校という条件を活かした企画である点だ。当然のこと、上級生がロールモデルになるから、その教育効果は計り知れない。もう1つは、プレゼンの完成度を問題にしないことだ。プロセスを公開する発表会だからだ。これで登壇者側のハードルはぐんと低くなる。それに、お互いの発表をみたりコメントをもらったりすることで、改善へのヒントをえることもできる。

企画の発案者である藤牧先生は、獲得研では“「変さ」値”の高い人として知られている。なにしろ、理科、社会など、教職関連の免許状を10枚もっているほかに、温泉ソムリエの資格もある。藤牧さんの柔軟な発想があって、こうした新しいコンセプトの発表会が生まれた、ということだろう。

司会をやった武藤くん(高2)の閉会挨拶がまた良かった。どちらかというと引っ込み思案で、人前にでるのが苦手だが、去年の第13回「高校生プレゼンフェスタ」(於:跡見学園高校)に参加して、自分でも少し変わったような気がする。思いがけないことだが、いまはこうして司会までしている。これからも失敗を恐れずにチャレンジしていきたい。気取りのない自然な語り口で、武藤くんがそんなことをいった。

今回のコメンテーター陣には、早川則男委員長(中村高校)をはじめプレゼンフェスタ関係者がたくさんいる。こんなスピーチを聴かされてしまったら、今年のプレゼンフェスタも張り切らざるをえないだろう。

目黒学院の生徒の応援団のつもりででかけたが、逆にこちらの方が励まされてしまったという具合である。