にほんご人フォーラム2014

去年と今年の講師陣-坪山、ゲスリング、根津、有馬(左から)の各先生

去年と今年の講師陣-坪山、ゲスリング、根津、有馬(左から)の各先生

昨日、国際交流基金日本語国際センターで、アジア6カ国(インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア、ベトナム、日本)の高校生たちが“便利なものの新しいアイデア”を発表する会があった。24名(各国4名)の若者が混成チームをつくり、4日間の準備期間をへて、日本語でプレゼンする。プロジェクト学習の締めくくりのプログラムである。この4日間、生徒のプロジェクト学習の進行具合を観察・分析するという臨床的な方法で、教師チームの研修も並行して行われている。

「便利さを考える」というコンセプトは、去年と同じだが、今年は粘土、ポスター、パワーポイント、演劇的手法などを使って、独自のアイデアを提案するかたちだ。

4チームから、温冷両方の飲み物・食べ物を同時に保温できる「〇〇すいとう」、病人がベッドで寝たままi-フォンを使える「スーパー・ピロー」、混雑に負けない2階建て多機能バス「ピカチュウ・バス」、旅先で便利な「ミニ・アイロン」などのアイデアが、彼らが何を手がかりにそれを発想するにいたったのか、という経緯と一緒に発表された。

初日は、聞き取れないほどの小声でやっと会話を交わしているといった状態で周囲をはらはらさせたが、心配無用、混成チームのメンバーたちは日を追って活発さを発揮し、本番では大盛り上がりの発表をみせてくれた。

ITの活用が発表の条件になっているので、彼らがパワーポイントを使うのは当然として、効果的に動画を組み込む発表も目立った。選ばれた高校生たちということもあるが、彼らをみているかぎり、6カ国の生徒のメディア環境に大きな落差は感じられない。世界の情報化のスピードがそれほど速いということだろう。

「にほんご人フォーラム」は、10年計画で、アジアに「にほんご人」のネットワークをつくろうという気宇壮大なプロジェクトである。私はプロジェクトの評価を担当している。今回で第1フェーズの3年を終え、来年は海外での開催になる。最初はマレーシアだという。

これからどんな新しい展開がみられるのか、ワクワクものである。

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