はじめて出会った高校生たちが、その場でチームを組んで演劇的プレゼンテーションに挑戦する「高校生プレゼンフェスタ」が11月23日(土)に跡見学園高校であった。今回は、8つの高校から48人がエントリーし、創造的な表現活動を楽しんだ。スタッフ、参観者も30人いるから、まさに賑やかなお祭である。
お題は「海外の高校生に伝えたい日本!」。このテーマが発表されるや、会場に「オーッ!」というどよめきが起こった。2時間のリサーチ・タイムで5分の発表。8チーム(各6人)が、メイン会場の会議室と、メディアルーム、図書室、小アリーナを自由に行き来して準備を進める。
高校生たちが取り上げた素材は、日本人の親切心や思いやり、伝統文化、サブカルチャー、高校生のスクールライフとさまざま。発表形式も、スキットあり、ダンス・パフォーマンスありと、前回よりさらに多彩になった。
日本アニメの市場占有率がフランスで8割をこすと数字を示すチーム、アニメのキャラクターをお面にしたてて登場するチームなど、ネットで情報にアクセスし、それを巧みに組み込んで発表をつくっている。
恋愛観を追究した「ヨッシー」チームは、外国人高校生カップルと日本人高校生カップルの交際ぶりの違いを、振り分けで演じてみせた。解説者のコメントつきである。バレンタインデーからホワイトデーまで、若者たちの行動を時間的推移にそって演じるという巧みな構成で会場を沸かせた。
ベスト・プレゼン賞をとった「Japan Warmth」チームは、日本を紹介するTV番組という設定。スタジオと浅草、京都の街頭をつなぎ、こちらも振り分けで日本人の行動パターンを実況中継する。京都では「ゴミ拾いマイスター」なるプロに遭遇して、優雅で素早い身のこなしで通りをきれいにする様子を見せる。なんだかこんな人が本当にいそうな気がするから面白い。
今回は、異文化間教育学会の研究プロジェクトということを配慮して、帰国生はもちろん、留学生や外国人高校生の参加にも力をいれた。これが良かった。アメリカ、ドイツ、フィンランド、インド、タイ、韓国、中国など、豊かなバックグラウンドをもつ高校生たちの学びの場が生まれたからだ。
運営委員会の先生たちが「大阪弁を共通語にすべし!」というディベート・ドラマをしたり、「もったいない」パフォーマンスを披露したりと、身体をはってデモンストレーションに取り組んだのも効果的だった。これだけやられたら、高校生も奮起せずにはいられない。
本格的な振り返りはこれからだが、プレゼンフェスタは、工夫次第で色んなバリエーションを生む可能性を秘めていることが実感できた。これからどう育っていくのか、楽しみである。