あかり座でいろんな試みをしてきた。今回のチャレンジは、参加高校生160人という大規模ワークショップだ。生徒が都下の8つの学校から集まってくる。短い時間で彼らの距離をどこまで縮められるのか、それがポイントになる。
「国際ロータリー第2750地区・第33回インターアクト年次大会」(ホストクラブ:啓明学園インターアクトクラブ、スポンサークラブ:東京昭島ロータリークラブ 参加者375名)が、8月24日(土)にフォレスト・イン昭和館で開かれた。文字通り森に囲まれた静寂な空間である。
担当したのは、関係性をときほぐすワークショップを午前中1時間、午後に講演「ボランティア活動を通して国際理解を考える」とワークショップの組み合わせで2時間、合計3時間である。20チーム(×8人)のメンバーは、午前中にランダムに決めた。
午後のワークショップは「〇〇レンジャーになってみよう!!」。3枚の静止画で、ボランティア活動の手ごたえを表現する。①困っているシーン、②救助シーン、③レンジャーの決めポーズという展開だ。レンジャーを登場させるという愉快なアイディアを、青木幸子さん(昭和女子大学)が考えた。
冒頭の写真は、モデルプレゼンテーションの3番目のシーンである。いじめを解決したレンジャーたちが、会場にハート形の「友情ビーム」を発射する。これが決めポーズだ。演じたのは、啓明高校生とあかり座メンバー。中原道高さん(目黒高校)の撮ったこの一枚に、大会の雰囲気が凝縮されている。
午前中は、いったい何がはじまるんだろう、という不安げな顔、顔、顔。同じ学校の生徒の群れがいくつもできた。重苦しい雰囲気が「あっちこっち」「二つのホント一つのウソ」「負けジャンケン」などで徐々にほぐれていく。
午後のワークショップにはロータリアンも加わって、多種多様なレンジャーが出動した。紛争を解決する「和解レンジャー」、世直しをする「水戸黄門レンジャー」、無気力を克服させる「やる気レンジャー」、喧嘩する男の子にお説教する「ガールズレンジャー」、町をきれいにする「清掃戦隊レンジャー」などだ。決めポーズがまた面白い。相当な手ごたえだったようで、みんなで協力できたこと、他校生と交流が深まったことが良かった、というコメントがたくさんあった。
ハードルをクリアできた要因はいろいろあるが、あかり座メンバーのサポートが大きい。今回は20の混成チームが同時進行で作業を進める。いっこうにアイディアがでないチーム、共同作業が苦手で引っ込んでしまう生徒がいるチームなど、おのずから個性がでる。
私が感心するのは、メンバー6人で事前にだれがどこのチームを担当すると決めるのではなく、気づいた人が随時手をさしのべるやり方をしていることだ。それが阿吽の呼吸でできてしまうところがすごい。
かくも成熟したチームワークはどうしてできたんだろう、いつも思うことである。