きのう異文化間教育学会第34回大会がぶじに終わった。まだ確定ではないが、350名近いエントリーがあったようだ。
この研究大会は、獲得研にとっても上半期最大のプロジェクトである。和田俊彦さん(大会準備委員会事務局長)、初海茂さん(獲得研事務局長)を中心とする企画・運営チーム、プレセミナー担当チーム、懇親会担当チーム、公開シンポジウム担当チームが、それぞれ同時進行で準備を進めてきた。
早稲田大学の山西先生から、「今回の大会は渡部先生のカラー全開ですね」と声をかけられたが、プログラムをみると確かにそうなっている。これから本格的に振り返りをするが、研究上の成果は予想以上だったと感じている。それは例えばこんなことだ。
昨日の公開シンポジウム「学びの身体を問い直す―教育コミュニケーションと演劇的知の視点から」に登壇した宮崎充治さん(桐朋小学校)、小松理津子さん(秋田明徳館高校)、藤井洋武さん(日本大学)の実践報告がどれも素晴らしかった。聴いていると、学習者の姿が目の前に浮かんできて、メッセージが心の深いところにスーッととどくのだ。三者三様の語り口だから、報告者の個性もはっきり感じとれる。
ここで研究成果というのは、報告の到達点のことだけではない。三人の発表が、定例会などの討議を通じてたった数か月で劇的に変貌する、そのプロセスを共有できたことが何より大きい。獲得研のミッションのひとつは、新しい実践研究のスタイルの創造にある。それを考える素材が、公開シンポジウム・チームの変貌ぶりに豊かに含まれているのだ。
ともあれ大きなトラブルもなく、来年の同志社女子大学での大会にバトンを引き継ぐことになった。学会の御意見番・小島勝先生(元学会理事長 龍谷大学)が「良かったあ」という感想を残してキャンパスをさる姿に、大会の様子が象徴されている。
横田雅弘理事長をはじめとする学会事務局の支えのもと、教育学科研究室・学生/院生グループそして獲得研のみごとなコラボで、流れるように仕事が進んだ。感謝のほかない。わたしは会場をウロウロ歩きまわっていただけである。面目ない。
まあ、出番がなかったということは、うまく進行していた証拠だろう、と自分をなぐさめている。