10年目の桜

ずいぶん枝が伸びたようだ

ずいぶん枝が伸びたようだ

日大に移ってから、丸10年が経とうとしている。昨日3月27日は終日、獲得研の運営委員会だった。研究室の外は満開の桜。高校生プレゼンフェスタの振り返り、定例会のプログラムのつめ、異文化間教育学会第34回研究大会の運営方針など、いつもながら議題が盛りだくさんである。

ちょうど10年前の同じ日に、青山のフロラシオンで米国理解教育研究会(あかり座)の顔合わせをやった。初対面のメンバーにもかかわらず議論沸騰、よっぴいて語り続け、アメリカの光と影をくっきり描きだす教材をつくるという方向が固まった。

それから3年。あかり座チームは、取材でアメリカを横断し、つくった教材『中高生のためのアメリカ理解入門』(明石書店)の普及で日本を縦断するという具合に、文字通り旅する教師の集団になった。

いまの獲得型教育研究会(獲得研)は、あかり座を母胎にはじめたものだ。発足は2006年4月4日。それ以来、獲得研のメンバーも、旅を続けている。教育方法をめぐる冒険の旅である。

書斎から見る八国山の山桜

書斎から見る八国山の山桜

この旅に二つの意味がある。一つは、『学びを変えるドラマの手法』『学びへのウォーミングアップ 70の技法』(旬報社)などアクティビティ普及の旅、もう一つは、ドラマ技法を使ってリアルな世界とフィクションの世界を往還する旅である。

この10年で、旅する仲間がふえ、社会状況もメンバー個々人の人生も大きく変わった。まだ旅のゴールはみえない。ただ一つはっきりしているのは、驚くべく成熟したチームワークをもつ研究グループができた、ということである。

10年目の桜を眺めながら、そんなことを考えた。

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