ロンドンの2つの日本庭園

仕事の合間をぬってキューガーデンの日本庭園とホランドパークの京都庭園を訪ねた。

閑散とした時期しか知らないので、こんなに人気スポットだったのかと驚いた。

松、モミジ、石組、石灯篭、蹲、刈込のアプローチ、延べ段などが揃っていて、どちらも本格的な日本庭園である。

キューガーデンはちょうど夏のイベントの最中で、ガラス工芸のインスタレーションが、あちこちを飾っている。

Temperate Houseの花の作品群もよかったが、日本庭園のNiijima Floatと題した球形の作品群がまた新鮮だった。

枯山水の水墨風の色合いの中に、極彩色の作品が置かれているから、その配置の具合、色合いと質感のコントラストがなんともいえず楽しい。

ホランドパークの京都公園にいたっては、滝組からとうとうと水が流れていて、その先に立派な州浜までついた池があるから、実に立派なものである。

こちらは夏休みの最後の週とあって、子どもたちが次々とやってきては、池の水に手を突っ込んでかき回している。どうも池でおよぐ鯉の方に関心があるようだ。日本庭園の気取りとは無縁の雰囲気である。

イギリスでは、飛沫をあげて水が流れおちる小川に触れる機会などないだろうから、われわれが想像する以上に、子どもたちが興奮するのかも知れない。

どちらの庭も大きな公園の一角にあり、外の景観とつながっている。いやでも見慣れたものとは異なる種類の樹木が目に入ってくるが、その景色も地域性のひとつだとみると、そんなに違和感がない。

日本庭園も存外普遍性があるのではないか、そんな気がしてきた。

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