月別アーカイブ: 6月 2019

松の表情

ゴヨウマツと臥竜の松(クロマツ)を透かしてもらうと、上の写真のような表情が姿をあらわした。現代アートのオブジェを思わせる迫力である。

剪定によってゴヨウマツの存在感が格段に高まった。わけても長大な枝がみせる表情の多彩さに驚かされる。

臥竜の松に注目してみると、地面から左手上方に伸びあがった幹が、いったん大きくうねって右手の高みをめざしているように見える。なるほど頭をもたげて上空に飛びあがらんとする龍の姿である。

時間をかけて眺めているうちに、隠れていた庭の構造が次第にはっきり見えるようになってきた。2本の松は、もともと一体でデザインされたものだろう。

庭を眺めることは、古人との対話であり、時間との対話であり同時に一種の謎解きでもある、そんな風に感じはじめている。

松の剪定

東庭の手入れが一段落し、作業の重心を南庭の手入れに移している。南庭は、林立する松が主役になる庭だから、ここから先はプロの力を借りるほかない。

南庭には古木が多い。私の趣味とはちょっと違うが、幹や枝の尋常でない撓め方のせいで、まるで巨大な盆栽みたいな姿になっているものもある。ゴヨウマツと臥竜の松の間からみる上の写真のキャラボクもそうだ。(東側から)

反対の西側から見ると、こんな姿をしている。おそらく臥竜の松と同じころの庭師の仕事かと推測しているが、地面からでた幹がすぐに二股にわかれ、両方ともが、まるで大蛇のようにとぐろを巻いてから上に伸びあがっている。

今回、樹木の自然な姿を大切にする福岡造園の福岡徹さんにゴヨウマツの剪定をお願いしたことで、南庭の面目が一新した。

ゴヨウマツと臥竜の松(クロマツ)の2本を一体に見立て、東西にゆったりと枝を伸ばす姿で仕立ててくれたのだ。混合う枝を透かし、10本あったゴヨウマツの支え木もあらかた撤去して、なんとも清々しい景色になった。

自分の好みにあう仕立て方がようやく見つかった気分である。

高木の伐採―その後

秋田に出張があったので、それを機会に、まずは屋敷の外周道路沿いの高木を伐採した後がどんな様子になっているのか、見てまわることにした。

するとどうだろう。高木のかげになってすっかり忘れられていたような木々が、いまは燦燦と陽の光をあびて存在感を発揮しはじめている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冬枯れの気配を残していた西庭のモミジの葉っぱも、すっかり緑の色を深くしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2か月前の庭の様子とはまるで別物である。それで、こちらが多忙を極めていたほんの2カ月の間に、これほど早いスピードで季節が移ろうのかと、ちょっと不意をつかれた感じになった。