日別アーカイブ: 2018/10/12

長(武田)清子先生を偲ぶ会

恩師の長清子先生が、4月10日に100歳で亡くなられ、9月8日にICU食堂で「偲ぶ会」があった。思想史研究会がしばらく休会している間のことだったから、いまひとつ実感がもてずにいたのだが、この会に参加して、しみじみ「ああ、亡くなられたんだなあ」という感懐にとらわれた。

とりわけ12年間にわたって長先生の助手をつとめあげ、思想史研究会でもオピニオンリーダー的な存在の小沢浩さん(4期生、元富山大学長)のスピーチは、長先生の厳しく、温かくかつリベラルな人柄を活写すると同時に、先生の戦中戦後から現在に至る学問研究の歩みを歴史的に位置づけようとする試みで、なんとも見事なものだった。

偲ぶ会は、桑ケ谷森男さん(1期生、元ICU高校長)たち、最初期の卒業生が運営の中心を担ったもので、200人を超す参会者があった。
80代になった先輩たちのすこぶる元気な様子にふれていると、これもまたいかにもICUらしい雰囲気だなあ、と感じたことだった。同じテーブルにいた梅津順一さん(14期生、前青山学院院長)や保立道久さん(15期生、東京大学名誉教授)が若い層に見えてくるから不思議である。

長先生は、18期生の私がかれこれ45年師事した先生である。

(下の写真。学部の卒業式で)

とりわけ最晩年の10年ほど、思想史研究会で指導を受けた経験がいよいよ貴重なものに感じられる。90代にしてなお学問研究の炎を燃やし続ける方のそばにいられたからだ。

小沢さんのスピーチにもあったが、せめても長先生に満足してもらえるような仕事を一つは残さないとなあ、と考えたことだった。