久しぶりに金沢を訪ねた。今回の目的は庭園の見学である。
(下は、片町武家屋敷群の一角にそびえる庭木)
爽やかな風に誘われて、強い日差しのなかを3日間歩き回った。
(下は、犀川の流れとツガの高木。井上靖の小説に登場するW坂を上り切ったところにある展望台から)
散策してまず気づいたのは、あたりを睥睨するように、ツガの高木が町のあちこちに立っていることだ。
(下は、7代目植治の設計になる辻家庭園のツガ)
もう一つ気づいたのは、成巽閣をはじめとして、キャラボクを効果的に使っている庭が多いことだ。
(下は、寺町にある辻家庭園の滝組、高さ5メートルの雄大なもの。富士山の溶岩を運んできて、コンクリートで固めたのだという)
その高木のことだが、歴史のある金沢城、兼六園の植栽に古木が多いのは当然だとしても、見学してまわったどこの庭にも、驚くほど太い樹木が1本か2本は必ず植わっている。
(下は、兼六園の根上松)
それで、どうも金沢辺りの施主は、古木・高木を好むようだという印象をもった。
(下は、金沢城に再現された櫓)
植栽のラインアップという面からみると、さすがに寒い地方の庭園とあって、キャラボク、ツガ、オンコ、ヒバなど秋田の庭と共通したアイテムが多い。
(下は、重文・三十間長屋の壁面。石組みの色彩の美しさが際立つ)
金沢の庭になんとなく親しみを感じるのはそのせいだろう。
最後に、兼六園の真弓坂の出口付近で、下の写真のキササゲを発見して、一層その感を深くした。
(これもかなりの老木で、中心部がほとんど枯れてしまっている)