私の花粉症は、杉のシーズンが終わってからの方が悪化する。根気と思考力が大幅に低下するので厄介だ。
もう先月のことになるが、英国のヨークで、はじめて城壁沿いの散歩を楽しんだ。
旧市街を取り囲む城壁が有名な町だが、4年前は、外から眺めるばかり。大学とホテルを往復しただけで終わってしまっていた。
今回は、ヨーク・ミンスターのぐるりを、かれこれ3度ばかり歩き回った。
天候も時刻も違う散策だったから、同じようなコースを巡っても、それぞれ異なる表情がみえる。
宿が城壁のすぐ内側という利便性も大きい。
1回目は、池野範男先生のガイドツアー。時雨勝ちの幻想的な風景が広がっていた。
2回目は、地元で社会科の教師をしていたというイアン・デービス教授のツアー。なにしろ情報量が豊富だ。
そして3回目は、朝の散歩。一人で少し長い距離を歩いてみた。
壮大な建築空間のもつインパクトは、若いころにカンタベリー大聖堂で受けたものに通じるように思う。
当時はたっぷり時間があったから、日本でチョーサーを読んでからでかけた記憶がある。
城壁から色んな角度でミンスターがみられるが、周辺の景色や家々の庭がまたなんとも面白い。(どうやってこんな高い塀にのぼったのか)
リタイアしたら養蜂をやってみたいと思っているせいだろう。お屋敷の庭におかれた巣箱がいたく印象に残った。
朝の散歩で気づいたのは、この中世からの道が生活道路でもあることだ。なにしろ、通勤路にしている人がたくさんいる。
要所要所にこうした門があり、門の階段を上ると、城壁の道になっている。