月別アーカイブ: 10月 2017

冬支度5

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秋田の庭であいかわわらずヒバと格闘している。今回は、直径15センチほどの立ち木を、20本ばかり間伐し、直径30センチ近い大枝の枝打ちもしたから、作業を終えたときには、まるで屋敷中が戦場のようなあり様になった。

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千葉から合流した妹が電動チェーンソーをふるって奮闘したのだが、若いころ合気道で鳴らしただけあって、身体操法が見事である。重心の移動がスムーズなのだ。

おかげでこんなに広い庭だったのかと思うほど、屋敷まわりがスッキリ明るくなった。鬱蒼と茂ったツバキを切ったら、地面から、実におだやかな円相の庭石が顔をだした。陶芸の辻清明さんの代表作「信楽大合子 天心」の頂上部を一回り大きくしたような、みごとな丸みである。

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一方、私の方はというと、よほど仕事の段取りに気をとられていたのだろう。上着とズボン一式を、宿におき忘れてしまったらしい。おかげで帰京しようとしたら、ジャージに黒の革靴といういささか間抜けな格好ができあがった。

さてどうしたものか。かといって、慌てて洋服をかうのも業腹である。そこでスポーツ関係者の方々には申し訳ないことだが、心のなかで「スポーツ大会の引率の帰りでこんな格好なんです」という勝手な設定をつくり、その気分のまま新幹線に乗り込むことにした。

帰宅した私の姿をみたワイフが、お腹をかかえて笑ったことは言うまでもない。

口縄坂

気になっていてもなかなか訪れる機会がない、という場所がいくつかある。大阪上町台地の坂道もその一つだ。地図で見ると、谷町筋から松屋町筋の方に向かって下る坂が何本もある。

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近くに講演にきたついでに、一つだけ坂道を歩いてみることにした。

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歴史散歩をする年配者がたくさんいて、日盛りのなかを幾組も歩いている。そのあたりは東京の都心を散歩するのと同じ雰囲気だ。

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ここ口縄坂を上ると、織田作之助「木の都」の文学碑がある。

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近くの寺に、私の好きな田能村竹田の墓もある。

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お詣りにきていたご夫婦に、入り口で竹田のお墓の場所を尋ねたら、あいにく知りませんという。

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まあ、興味がないとそんなものかもしれないなあ、と思った。