月別アーカイブ: 10月 2016

松下佳代先生との対話

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土曜日は、松下佳代先生(京都大学・高等教育開発推進センター教授)と獲得研メンバーの対話集会だった。松下先生の提唱するディープ・アクティブラーニングと獲得型学習の接点を探る試みである。

今回は、回を重ねて第107回定例会。これまで何人もの講師を例会にお招きしたが、今回のように対話という形式をとるのは初めてだ。

実はこの春も松下先生に「大学院特別講義」をお願いしていて、そのときは教育学専攻はじまって以来という数の聴衆が集まった。有り難いことではあったが、おかげで先生とゆっくり対話する時間がとれず、今回の例会で仕切り直すことになった。

松下先生は、「深さ」を追求する学習論の系譜として、①深い学習、②深い理解、③深い関与という3つの流れがあると整理したうえで、ディープ・アクティブラーニングと獲得型学習の接点が、③の「深い関与」というところにあるのではないかと指摘してくださっている。

学びというものを認知の世界だけにとどめて考えるのではなく、認知・情動・身体をホリスティックに捉えて、学習者が“対象世界にひたる”ことを重視する、そこに両者の共通点を見出すというのである。

松下先生のこの提起からはじまった対話は、学習指導要領をめぐる動向、教師論、能力論、評価論、内容論と方法論の関わりなど多岐にわたって展開し、あっという間の3時間だった。

対話を終えて、松下先生の謙虚で誠実な研究者としての姿勢が強く印象に残った。それと同時に、今回の対話集会が“私たちの取り組みの今”を確認するまたとない機会となったし、獲得研にとってまさに”エポック・メーキングな一日だったなあ”と感じている。

木村敬一くんの大活躍

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先日リオ・パラリンピックの報告にきてくれた木村敬一くんが、昨日は、全力応援を続けた大学院のゼミ生たちと再会した。間に、例の銀座の80万人パレードをはさんでいるので、そのときの話も聞いたが、“東京にこんなに人がいるのか”というくらいの熱気だったらしい。

ロンドン・パラリンピック大会のときは、現地の水泳会場で応援できたのだが、今回は病院のベッドからの応援になった。新聞記事の方は、妻がすべて切り抜いていて、内容を逐一報告してくれた。

メディアの注目度が4年前とは桁違いである。木村くんが感じたプレッシャーもそれだけ凄かったことになる。その中で4つのメダル(銀メダル2、銅メダル2)を獲得。まさに獅子奮迅の活躍だった。

今回のメダルは重さが500グラムあって、ずっしりと重い。4つあわせるとなんと2キログラムになる。メダルを手にもって振るとカシャカシャ音がする。オリンピックのメダルにはない仕掛けらしい。それで、リオの組織委員会の粋なはからいに感心した。

4年後の東京パラリンピックにむけて、社会の注目はいやがうえにも高まっていく。パラリンピック理解の促進活動など、競技以外でも木村くんの果たす役割は、さらに大きくなることだろう。

まずはゆっくり休んで十分に英気を養ってほしいと思う。(木村くんと誕生日の私に、院生たちから花束のプレゼントがあった)