パリのタクシー・ドライバー

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先ほどサン・ジェルマンのホテルに入った。バカンス大詰めの日曜日とあって、さすがに街中が閑散としている。車でマドレーヌ教会の前を通ったがほとんど人影さえなかった。

空港で乗ったタクシーのドライバーが愉快な人だった。今年のひどい暑さの話からはじまって、いつしかバカンスの話題になり、問わず語りに自分の話をしてくれる。

チュニスでバカンスを過ごし、昨日仕事に復帰したばかりらしい。「じゃあ、チュニジアの出身なの?」と聞いたら、ご本人ではなく奥さんがチュニジア出身だという。自分の車でマルセイユまでいき、フェリーで向こうにいったらしい。

パリの自宅からマルセイユまでほぼ800キロ。お昼ごろに家をでて夜中の12時過ぎに港についたという。「まだ子どもが小さいから、あちこちで休憩して、アイスクリームを食べさせたりしながらゆっくりいくんだよ」とのこと。どうも道中自体がレジャーのようだ。話を聞いていると、東北自動車道でみかける家族連れのお盆帰省の様子によく似ている。

そういう話を、猛スピードで運転しながら話してくれる。ご本人は、アルジェリア系で、生まれたのはフォンテーヌブローから100メートルのところだという。

途中、事故渋滞にあっていつもの倍くらい時間がかかってしまったが、おかげで退屈せずにホテルについた。フランスでこんなにおしゃべりなドライバーに会うのは初めてである。

昨日のちょうどこの時間は、研究室の羽田積男先生、関川悦雄先生とミュンヘンのホーフブロイハウスでビールを飲んでいた。

羽田先生は中世の大学を訪ねてチェコ、ドイツ、イタリアをめぐる。関川先生はシーボルト関係の調査でスコットランドにいき、ホームグラウンドのドイツに入る。日本を発つ前に、たまたま3人の行程がドイツでクロスしていることがわかり、お二人が私のスケジュールにあわせて予定を調整してくれたのである。

ドイツ通のお二人と旅の情報交換をしながら飲むビールの味はまた格別だった。これが人生の面白さというものだろう。

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