日別アーカイブ: 2016/05/29

庭石

秋田の実家の庭は、池のない平庭である。東西にそれぞれ築山がつくってあるが、まあ、ほとんど平べったい庭といってよい。

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景色に変化をつけるためだろう。あちらこちらに庭石が立っている。ただ、庭石が屹立しているわけではなく、どれもいくらか地面に埋まっていて、あたかもそのままもとの自然に帰ろうとしているかのような風情である。

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庭石はことごとく丸っぽい形状で、力みのない、自然体の雰囲気をもっている。名石などというものからはるかに遠く、穏やかな印象の石ばかりだから、見ようによっては、道端の道祖神のように見えなくもない。

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これらの石を眺めていると、わたしは先祖の人たちの美意識になんとなく近しいものを感じる。

いったい庭にいくつ石があるのか定かではないが、今回も植込みのかげで、すっかり苔におおわれ、地面のもりあがりとほとんど区別がつかなくなっている大きな石をひとつ発見した。

白い花

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秋田の実家に帰省しても、花の盛りにでくわすことが滅多にないのだが、今回は珍しくニセアカシアの満開の時期にぶつかった。青空を背景に、白い花房がキラキラ輝いている。

咲き残りのユキオもかろうじてみることができた。垣根のユキヤナギもそうだが、わが家の場合、春から夏にかけて、花といえば圧倒的に白い花が主流である。

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屋敷の周囲をむやみに丈の高い樹木がとり囲んでいるせいで、母家のたっているあたりが、ポカンと開けた、ちょっと広い陽だまりのような環境になっている。

おそらくそれが気に入って、野生のキジがここに居所をさだめるようになったのだと思う。白いユキオの刈込のあいだを、頭部の赤いオスがゆうゆうと歩いている。ときどき姿をみせるだけの私などより、どうも自分のほうがこの屋敷の主だと思っているふしがある。

風のない静かな昼下がり、四方の窓をあけはなして畳のうえで昼寝をすると、いっとき、都会では味わうことのできないような、せいせいした気分を味わうことができる。