昨日の東京は花曇り。日大二高で国語を教えている笠置浩史さんの結婚披露宴があった。笠置くんは、大学院のゼミを担当したばかりのころの受講生で、それ以来の付き合いである。
会場のオテル・ド・ミクニは、JR四ツ谷駅からほど近い場所にある。せっかく桜の美しい時期だから、少し遠回りして、上智大学のグラウンドを一周し、迎賓館の前を通って、学習院初等科の裏手にあるレストランまで歩いてみた。桜の花は満開に近く、そのぶん花に勢いがある。
なんとも和やかで温かい雰囲気に包まれたパーティーだった。なにしろ時間がゆっくり流れていく。お二人の人柄の反映だろう。なるほどと納得したのは、自分たちの人生に深く関わりあった人だけここに招いたのだという。それで同じテーブルの人たちがたちまち仲良くなってしまう。
笠置くんは授業に熱心なだけでなく、ブラスバンドの指揮をするかたわら、仲間たちと舞台制作にもかかわって、毎日を忙しく過ごしている。それは知っていたが、夫人の優美さんの方も相当な美術好きらしい。関東からわざわざ奈良の大学に進学し、仏教美術研究会に入ったというし、最近は東博で彫刻部門のボランティア・ガイドもしていたという。心強いことである。
それで、きっといつまでも心豊かな時間を共有するカップルになるんだろうなあ、と嬉しく感じたのだった。