月別アーカイブ: 4月 2016

『世界』の5月号

「世界」5月号 011

『世界』(岩波書店)の5月号が、8日に発売になった。特集で、国谷裕子さんの「インタビューという仕事-『クローズアップ現代』の23年」を読むと、画面の向こうで国谷さんが何を考えて仕事をしてきたのかがよく分かる。筋の通ったジャーナリストの姿勢というのはこういうものなのか、と実感できる。

たまたま同じ号に、「主権者教育とは何か-『18歳選挙権』導入を機に」を書いた。この半年ほど、18歳選挙権をめぐる新聞各紙の報道をウォッチしてきたが、どうしても若者の投票率アップキャンペーンのトーンが強い記事が目立つことになる。もちろんそれも大切なことだが、一方で「教育」というからには、もう少し長いスパンで考える論調も必要ではないかと思う。

主権者教育について考えることは、どんな主権者像を描くのかということと表裏の関係だし、それは民主的社会を構成する市民をどう育てるのかということであり、同時に参加民主主義の成熟の過程をどう構想するのかということにもつながっているからだ。

『世界』に寄稿するのは、「総合学習に展望はあるか」(2002年6月号)以来14年ぶりだ。まだICU高校の教師だったころのことである。当時の私と大きく違っているのは、編集する側の苦労をより身近に感じるようになったことだろうか。もちろん総合雑誌の苦労とは比べるべくもないのだが、このところ、単著ではなく編著ばかりだしているせいである。

これだけ多彩なラインアップの原稿を、しかも毎月だしつづける努力たるや並大抵のものではないはずだ。

笠置浩史さんの結婚披露宴

笠置くん結婚式 003

昨日の東京は花曇り。日大二高で国語を教えている笠置浩史さんの結婚披露宴があった。笠置くんは、大学院のゼミを担当したばかりのころの受講生で、それ以来の付き合いである。

会場のオテル・ド・ミクニは、JR四ツ谷駅からほど近い場所にある。せっかく桜の美しい時期だから、少し遠回りして、上智大学のグラウンドを一周し、迎賓館の前を通って、学習院初等科の裏手にあるレストランまで歩いてみた。桜の花は満開に近く、そのぶん花に勢いがある。

笠置くん結婚式 011

なんとも和やかで温かい雰囲気に包まれたパーティーだった。なにしろ時間がゆっくり流れていく。お二人の人柄の反映だろう。なるほどと納得したのは、自分たちの人生に深く関わりあった人だけここに招いたのだという。それで同じテーブルの人たちがたちまち仲良くなってしまう。

笠置くん結婚式 012

笠置くんは授業に熱心なだけでなく、ブラスバンドの指揮をするかたわら、仲間たちと舞台制作にもかかわって、毎日を忙しく過ごしている。それは知っていたが、夫人の優美さんの方も相当な美術好きらしい。関東からわざわざ奈良の大学に進学し、仏教美術研究会に入ったというし、最近は東博で彫刻部門のボランティア・ガイドもしていたという。心強いことである。

笠置くん結婚式 018

それで、きっといつまでも心豊かな時間を共有するカップルになるんだろうなあ、と嬉しく感じたのだった。