KLで“にほんご人フォーラム”

日本人が寄贈した建物という

日本人が寄贈した建物という

今年の“にほんご人フォーラム(JSフォーラム)”は、マレーシアのクアラルンプールで開催された。ツインタワーに象徴されるクアラルンプールは、思っていたよりもずっと活気のある都市だった。

国際ユース・センターに、6ヶ国(タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、フィリピンそして日本)の高校生・24名が集まった。まず、彼らが4つの混成チームに分かれ、お互いに知り合うことからはじめる。それから1週間かけてプロジェクト学習を展開し、最後にその成果をグループ・プレゼンテーションとして発表する。取り組むテーマが「思い込み」とあって、例年のテーマよりぐんと抽象度が高い。

ミニ・マレーシアにある伝統住宅の内部

ミニ・マレーシアにある伝統住宅の内部

さてどんな発表になるのかと心配半分で見守ったが、それぞれの国から持ち寄った衣食住や風俗にかかわる具体的な情報をつきあわせたり、プログラムの途中でやった施設「ダイアローグ・イン・ダーク」でのブラインド体験をふり返ったりして、思い込みがどんなふうに生まれるのか、彼らなりに解明しようとしている。

ミニ・マレーシアでは伝統舞踊も見学

ミニ・マレーシアでは伝統舞踊も見学

終わってみれば、クイズあり、スキットありの賑やかな発表で、4チーム(各10分)の発表が、どれも生き生きと躍動していた。クアラルンプール周辺の高校から招待された300名近い日本語履修生も大満足の報告会になった。

準備過程をみていると、いまどきの高校生たちは、スマートフォンでどんどん追加情報をえている。たくみにPPTもつくる。都会の学校から選ばれた生徒が多いせいもあるだろうが、いまは、国を問わず、若者を取り巻くメディア環境が早い勢いで変わっていることが実感される。

マラッカのオランダ広場

マラッカのオランダ広場

今年で4回目を迎えたフォーラムだが、初めての海外開催というだけでなく、今回はいろんな新機軸があった。その一つは、現地の先生たちがタッグを組み、国際交流基金の先生と一緒になって、混成チームの指導に当たったことだ。マレーシアの3人の先生たちは、プログラムの間中、ずっと日本語だけで生徒の指導を続けた。なんともみごとなものである。

左から、ウェイ、中野、アン、スガンの各先生

左から、ウェイ、中野、アン、スガンの各先生

それで私は、改めて1999年の夏に代々木のオリンピックセンターでやった「日韓米グローバルクラス」を思い出した。48名の生徒が、「大都市東京と自然」という大テーマのもとで、演劇的プレゼンテーションの創造に挑戦するプログラムだ。あのときも、韓国の権泰奎先生、権俊先生のお2人が、日本語だけ使って3ヶ国の生徒を指導してくれたものだった。

16年という歳月を隔ててはいるが、グローバルクラスと同じコンセプトをもつ活動が、こうしてクアラルンプールの地で実現する様子を目の当たりにすると、やはり感慨深いものがある。

 

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