ワイフの案内で、椿山荘を起点に、神田川沿いの桜見物をした。この季節にくるのははじめてである。好天に誘われて老若男女がつめかけている。 桜ももちろんきれいだが、椿山荘の椿の種類の多さには驚いた。紅獅子、都鳥など、知らない花がたくさん咲いている。
それで、英国コーンウォールにあるナショナルトラストの大庭園・トレウィゼンを思い出した。こんな所にというくらい不便な場所にあるマナー・ハウスの庭である。私のもっとも好む庭のひとつだ。おそらく椿の庭として知られるせいだろう。案内板に、英国留学中の現皇太子がここを訪問した、と書いてあった。 神田川にでると、かなりの風で、もう大きな花筏ができている。両岸からせいせいするくらい長く伸びた枝の全部に、うすいピンク色の花がびっしりついていて、チョット息苦しいくらい迫力がある。
新江戸川公園(旧細川藩本邸)から神田川にかけてが、学生時代の散策路だったそうで、授業の合間に良く歩いたところだという。たしかに地図でみると、川のむこうに新目白通りをへだてて早稲田のキャンパスが広がっている。 今年の東京は、開花もあっという間なら、落花も早いらしい。しばらく川沿いを歩いてから、都電荒川線に乗ってJR大塚駅にでた。車窓からも桜がよくみえる。
たった半日だが、ゆっくりした時間をもてたのは良かった。ただし、夜半、油断していた花粉症の症状がドッと悪化したのには難渋した。