平野正久先生とのドライブ旅行

大室山上の平野正久先生

大室山上の平野正久先生

研究室の大先輩・平野正久先生が、伊豆高原駅からそう遠くない場所に別荘を構えている。はじめてうかがったが、茶室に露地までそなえた豪壮なつくりである。昨日の日曜日、そこを起点にして伊豆高原を散策した。数年越しの計画が実現したかたちだ。土曜日は、早朝に一緒に東京をでて、雨の中を現地到着、酒を酌み交わしながら一晩ゆっくりおしゃべりした。

平野先生は、一回り以上年嵩の先輩である。無類に相性がよく、日本大学に移ってすぐに親しくなった。大阪大学から日大に移った平野さんが、2002年に学科主任になり、その年にわたしが教育学科に採用になったというご縁もある。

2008年の夏には、ポツダムで落ちあい、ゲーテ街道をドライブ旅行した。ゲーテ、バッハ、ルターをめぐる1週間の旅である。お膳立てはぜんぶ平野さんがしてくれた。ドイツ研究の専門家に個人ガイドをしてもらうのだからこんな贅沢はない。生涯忘れがたい旅になった。

ただ、その日の宿をその日にさがす気ままな弥次喜多道中という面があるので、失敗談にも事欠かない。抱腹絶倒のエピソードについて折をみて書こうと思っている。

アザミの群生

アザミの群生

あれから6年。平野さんの運転は相変わらずきびきびしている。一事が万事で、とにかくフットワークが軽快でかつエネルギッシュである。昨日も、大室山のリフトに一番乗りし、列の先頭で切符を購入してくれた。

大室山の頂上で火口のぐるりを散歩してパノラマを楽しんだあと一碧湖までいって湖畔を歩き、もう一度リフトで小室山に登って川奈ホテルのむこうに伊豆大島を遠望し、さらに日蓮の「伊豆法難」の地に建立された蓮着寺を見学するというコース、この全部を午前中にこなしてしまう。

奥が日蓮が置き去りになったという俎岩

奥が日蓮が置き去りになったという俎岩

どこへいっても自分の庭のように自在に案内してくれるおかげで、大室山のてっぺんでは、緑のじゅうたんのうえに花をつけるアザミ、ホタルブクロ、野ばらの群生をめで、蓮着寺では樹齢千年というヤマモモの巨木をみることができた。天候まで勢いにおされたらしい。雲間に青空がのぞいたとみるうち、いつの間にか高原の日差しが肌にいたいほどの好天になっていた。全精力を傾けてひとをもてなす平野さんの面目躍如である。

平野家の裏手にあるヤマモモの実

平野家の裏手にあるヤマモモの実

2日間で朝昼晩ときっちり6回、食事をごちそうになった。土地柄、海の幸が美味しいのは納得だが、美味しいお蕎麦、美味しい山の幸のレストランまでリストしてくれているので驚く。かたじけなく堪能させてもらったが、けさ体重計にのって、数日後にせまった健康診断のことをすっかり忘れていたことに気がついた。うーん。まあ、いっか。

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