日本国際理解教育学会第24回研究大会

奈良 037今期から、研究委員会と実践研究委員会が組織的に合同したのを機に、「理論と実践の統合」という学会創設以来の難題に本腰を入れて取り組むことになった。「研究・実践委員会」(委員長・嶺井明子、筑波大学教授)が掲げたテーマは「国際理解教育における教育実践と実践研究」である。

週末に奈良教育大学であった特定課題研究「国際理解教育における実践研究の視座」が最初の提起ということになる。3年間を通して、大きく2つの課題に挑戦する。一つは、実践研究のスタンダードの確立で、実践者による当事者研究・臨床的研究のディシプリン(研究の作法)をつくるいわば理論開発の研究。もう一つは、研究モデルの探究と発信で、こちらは実践的研究者としての自立の道筋と研究コミュニティーの形成に関する事例研究である。尼崎市と神戸市の学校での実践や地域の実践に寄り添いながら、公開研究会を開いてその可能性を探っていく。もちろんこれら2つの課題は有機的につながっている。

3時間のセッションだったが、委員会からの4本の報告(80分)を受けて、4、5人グループで話し合うワークショップ形式とした。トピックは、「学校/地域で実践研究をどう進めるか」「実践的研究者はどう育つのか」の二つ。特定課題研究ではこれまでやったことのない形式だが、これがよかった。話し合いが活発だっただけでなく、リアルタイムで提案への反応が得られたからだ。

何しろ好天の奈良、しかも日曜午後のセッションである。午前中にはワールドカップ・サッカーのコートジボアール戦まである。参加者の数が心配されたが、それは杞憂だった。米田伸次先生(元学会会長)、田渕五十生先生(福山市立大学教授)などのベテラン会員から若手会員まで、大教室がいっぱいになる盛況で、まずは好調な滑り出しといえるだろう。

わたし自身は、ここにくるまでの過程が面白かった。準備段階のディスカッションもそうだし、初年度とあって、司会からコメントまで委員全員で手分けして運営にあたったのだが、メンバーの気配りの細やかさにほとほと感心させられたこともそうである。さて、これからどんな研究成果が生みだされるのか、興味津々である。

奈良 057ホテルから大学まで、強い日差しの中を毎日歩いて通った。途中にある元興寺極楽坊の門を久しぶりくぐって、こんなに清々しく手入れされたお寺だったのかと再発見もし、なんだか嬉しくも感じた。

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