日別アーカイブ: 2014/05/24

獲得研シリーズ・第3巻の執筆

5月17日の定例会で、獲得研シリーズ第3巻『教育プレゼンテーション』の執筆分担が確定した。現場で活用できる30項目のプレゼン技法を一望できるアクティビティ・ブックである。これだけの項目を収録した本というのはまだ刊行されたことがない。

1巻、2巻と同様、3巻でも「技法のルール」とそれを活用した「実践報告」をセットで提案する。読者が、実践場面に即して技法の活用をイメージできるようにする、それが獲得研シリーズのコンセプトだからだ。今回は、28名の執筆者が、合計36本の実践報告を寄稿することになっている。

ではプレゼン技法をどういうカテゴリーで分類するのか、また総計でいくつの技法を盛り込むのか、ずいぶん時間をかけて議論してきた。その結果、前者についていえば、かねて獲得研が提唱している表現活動の三つのモード「コトバ、モノ、身体」を章立てに援用すること、後者についていえば、メインの技法を24項目まで絞り込むことにした。第1巻(ドラマ技法)で16項目、第2巻(ウォーミングアップ技法)で70項目、それぞれ収録しているから、今回は第1巻に近い構成になる。

実際のところは、かえってたくさんの技法を盛り込む方が、絞り込むよりも易しい。ただ、獲得研は一群のアクティビティをきたるべき時代の新しい共通教養にしたいと考えていて、「学習スキルのミニマムとは何か」を探ってきた。だからこそ、技法を精選する作業は避けて通れない。

シリーズ本制作の醍醐味は、なんといっても定例会でのディスカッションにある。小学校から大学までの教師が、共通テーマの実践(報告)を真ん中において、あらゆる角度から思考実験をくりかえす。滅多にできる経験ではない。今回、収録数を絞り込んだということは、それだけ個々の「実践報告」の比重が大きくなったということでもある。

早速、定例会で「教師/生徒」の変容をどう記述するべきなのかが議論になった。ひと口に変容というが、これを説明しようとしたら、短期的なもの・長期にわたるもの、採用した方法の影響によるもの・内容によるもの、計測可能なもの・不可能なもの、眼にみえるもの・見えないものなど、着眼点が色々にでてくる。

ことほど左様に実践研究は奥が深く、研究方法のスタンダードも固まっていない。ただ、それだからこその面白さもある。道なきところに道を拓く面白さである。

現場をもつ当事者による臨床的研究が、「実践研究」の領域として自立できる条件は何か、それを探ることが獲得研のミッションである。こうした課題を正面に掲げるにあたっては、8年かけてそれなりの成果を蓄積してきた背景がある。

これまでもそうしてきたが、今回も、3巻の制作を通して新しいルートの開拓にみんなでチャレンジしてみたいと思っている。