秋田明徳館高校の研修会

明石書店に『(仮題)ドラマ技法研究の最前線』の入稿をすませた。25日のことだが、それからもいろいろあって、やっと年賀状にかかっている。

松尾先生が授業のねらいを説明する

松尾先生が授業のねらいを説明する

それにしても、明徳館高校の定時制の先生たちの、フットワークの軽快さと創造性の豊かさには驚いた。同じ12月25日の教員研修会でのことだ。いま明徳館は、研修に熱心な校長・安藤巳智子先生のもとで「互見授業」に持続的に取り組んでいる。

そこで2時間半の研修を、基調講演+「ウォークの色々」などのウォーミングアップ・アクティビティ体験+ワークショップ「松尾実践をサポート!」で構成することにした。

ワークショップの素材は、すでに行われた「商業」の研究授業である。起業の相談に来た人に、生徒がコンサルタント役になって企業形態をアドヴァイスするという授業だ。当日、研究授業を参観できなかった人は、DVDを視聴して今回の研修会に臨んでいる。

ワークショップでは、松尾先生にむけて、39人の先生たち(6グループ)が研究授業とは別のバージョンを提案する。改訂のポイントは、①グルーピングの仕方、②課題とその提示の仕方、③話し合いの形式、④発表形式、⑤振り返りの仕方である。それを模擬授業で提案するところがミソだ。もちろん生徒役もみんなでやる。

これがビックリするほど面白い。理由が三つある。一つは、6グループの提案ポイントが1つとして重ならなかったこと、二つ目は、速成グループでありながら、プレゼンテーションが演技もふくめて実に闊達だったこと、三つ目は、「ティーチャー・イン・ロール(先生も演技)」や「プロムナード」などのドラマ技法が、それと知らずにごく自然に使われてしまっていることだ。

三つ目の点は、松尾実践に「専門家のマント」が使われているのが引きがねになったかも知れない。日本の教師たちが、必ずしも自覚的に方法化してきたのでないとしても、長い時間をかけて蓄積してきた知恵が、ここで露出したのだ、と感じる。獲得研の小松理津子先生のいたチームでは、なんと「コレクティブ・キャラクター(みんなで一人)」のバリエーションまで使われている。来年は、松尾先生が、このバージョンで授業をやることになった。

通信制を併設する秋田明徳館高校は、秋田県内でも特別なポジションにあるいわば実験的な性格の学校である。ここでの実践研究の成果をぜひ「明徳館モデル」として発信して欲しい、とお願いした。

安藤校長は、私の中学時代の恩師・小林卓巳先生のお嬢さんだ。帰りの新幹線では、こうしたタイミングで仕事をご一緒できる不思議さと喜びを、しみじみかみしめたことだった。人生の出会いの妙である。

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