日別アーカイブ: 2013/09/20

にほんごじんフォーラム2013

タイ、ベトナムの先生たちと

タイ、ベトナムの先生たちと

9月17日に、アジア6カ国の高校生が、“便利さ”をテーマに日本語で研究発表する催しがあった。会場は、北浦和の国際交流基金日本語国際センター。「にほんごじんフォーラム2013」(国際交流基金・かめのり財団主催 9月10―18日)の一環である。

参加したのは、日本の高校生4名とインドネシア、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシアの日本語学習者たち20名。4つの混合チーム(各6名)が、「からだが不自由な人にやさしい町」「交通に便利なもの」などそれぞれトピックを選んで発表した。スライドで便利グッズをみせたり、スキットで場面を演じたりと、観客を楽しませる工夫がされている。

「日韓米グローバルクラス」(国際文化交流推進協会主催 1999年 オリンピック・センター)で、3ヶ国の高校生に“大都市東京と自然”というテーマの演劇的プレゼンテーションをしてもらったことがある。多文化・多言語のプロジェクト学習である。プロジェクト学習という構造は同じだが、今回は日本語でプレゼンテーションするところが特徴だ。

そもそも「にほんごじんフォーラム」には、10年かけてアジアに日本語を話す若者のネットワークをつくろう、それをプロジェクト学習での共通体験を通して実現しよう、という壮大なプランがある。そのためには、若者の交流の場をつくるだけでは十分でない。プロジェクト学習を指導する先生たちの養成が大事になる。

そこで昨年のフォーラムでは、まずアジアの先生たちが“お弁当”をテーマにプロジェクト学習を経験した。今年は、生徒の学習活動と先生たちの研修を入れ子にしている。日本語センター側が指導するプロジェクト学習をアジアの先生たちに観察してもらい、それを手がかりにして、各国別の教育プログラムを提案してもらうのだ。

今年のフォーラムは、日本側にとっても大きなチャレンジである。もっぱら教師研修を担ってきたスタッフが多国籍の高校生を指導するだけでも大変なのに、プロジェクト学習の指導ができる教師も育てる、という2重の課題を背負ったからだ。

「にほんごじんフォーラム」は、参加者みんなが手探りであるところが面白い。未知の領域にふみだすこういう実験的取組みはワクワクものだ。アジア5カ国でこれからどんな日本語教育の実践がうみだされるのだろうか。

企画がはじまったときから外部評価委員としてウォッチしているが、これまでもっぱらプロジェクトをうごかす側で仕事をしてきたものだから、ついつい実践者や生徒に寄り添いたくなってしまう。距離の取り方を模索しながら、この新しいチャレンジをしばらく見守りたいと思っている。