第12回高校生プレゼン・フェスタ(1)

東日本大震災で中断していた「高校生意見発表会」が、「高校生プレゼン・フェスタ」に姿をかえて復活する。東京・埼玉の高校生が、ランダムにチームを組み、その場でもらったテーマでグループ・プレゼンテーションを準備し、発表者にもなり観客にもなる、という新しい試みだ。(3月20日・祝日 文京区の跡見学園中学高等学校)

もとになった「高校生意見発表会」は、1999年から都立工芸高校や跡見学園を会場として、年一回開かれてきた。「見て、聞いて、感じて! 私の経験、私の提案」という共通テーマのもとで、これまでに235名の高校生・留学生がプレゼンテーションに挑戦している。

この企画は、一人の企業人の熱意からはじまった。小石川ロータリークラブの役員だった太田幹二さん(科研製薬会長、太田記念美術館館長 故人)である。海外の若者をホームステイさせた経験から、留学生もまじえて若者同士の交流をすすめたいと考えたのだ。太田さんが東京都教育委員会に相談にいき、そこから中野佳代子さん(国際文化フォーラム事務局長)そして私へとバトンがつながり、3人のタッグでこの企画がはじまった

そんな経緯だから、現場主導でやられているいまのやり方とは運営形態もずいぶん違っていた。東京都第4学区校長会(文京区、板橋区、北区)の会長さんの学校が、毎年持ち回りで幹事校をつとめる方式である。発表会当日には、ロータリークラブの正装をした年配の企業人がズラリ並んで若者たちをでむかえる。

東京都の組織替えがあり、いまは校長会そのものがなくなっている。変わっていないのは、プレゼン形式の多様性である。NHKの「青年の主張」の形式でもよいのだが、せっかくだから、演劇的手法やダンスなど全身を使ったプレゼンにも挑戦してもらおう、と考えた。それで参加校向け説明会では、「エデュケーション・ナウ」のビデオを使い、ポスターセッション、集団スピーチ、架空座談会など、さまざまな表現のスタイルを見てもらうことにした。

事業の単年度主義をとる小石川ロータリークラブが、同じ事業を7年間もつづけたのは異例のことらしい。4年目に椿山荘の例会で、「高校生意見発表会に期待すること」というテーマのスピーチを頼まれたのは、継続の意義を確認するためだろう。太田さんの牽引力の賜物だが、継続を可能にしたのは、高校生のプレゼンテーションの素晴らしさである。

海外に飛び出して気づいたこと、留学生がみた日本人の行動様式、引きこもりから抜け出した経緯など、さまざまな経験が壇上で語られる。彼らのひた向きな姿勢に、人生のベテランたちが触発され、毎回“今どきの若者”のイメージがひっくりかえされた。

いまは世をあげてプレゼン・ブームである。いたるところでプレゼンテーション能力の必要性が叫ばれている。しかし、私たちのコンセプトは、ただ能力をたかめるというだけでなく、参加者同士が交流を楽しみ、さまざまな表現スタイルにふれることにある。意見発表会からフェスタへの移行は、その姿勢をより鮮明にしたものだといえる。

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