秋田県教育研究発表会

受付 正面は公演会世話役の寺田先生

受付 正面は講演会世話役の寺田先生

第27回秋田県教育研究発表会(2月7日―8日 秋田県総合教育センター)に参加して、県の教育界の底力を感じた。

県内から350名がエントリーし、教科、総合、道徳、特別支援教育など「分野別研究発表」だけで100本近い報告がある。初日が公立高校の前期選抜の発表日とぶつかったにもかかわらず、この数字なのだという。

県外からの参加者も多彩で、東北はもちろん石川、岡山、熊本、宮崎まで及んでいる。あいにくの天候とあって、飛行機と新幹線を乗り継ぎ、10時間かけてきた人もいるらしい。

わたしは初日午前の講演会を担当した。いただいた演題は「自立した学習者を育てるために―アクティビティを活用した授業づくり―」である。風登森一先生(総合教育センター所長)がスピーチで指摘したのは、“主体的に学ぶ子どもを育てる”というセンターの提言と、参加型アクティビティの体系化と教師研修システムの開発という獲得研の研究テーマがピタリと重なっている、ということだ。

今回は、講演時間の半分をワークショップにあてることにした。大人数が、固定座席の講堂で、一斉にアクティビティをする。わたしにとっても大きなチャレンジである。講演冒頭の「あっちこっち」からはじめて、「指ウェーブ」「負けジャンケン」「2つのホント1つのウソ」と続く。メインはCMづくり「3枚のフリーズ・フレーム(静止画)で秋田を紹介しよう」だ。4、5人のグループでCMをつくり、別のグループとペアになって作品をみせあう。

わずか20分で制作から鑑賞まで到達

わずか20分で制作から鑑賞まで到達した

講堂の通路、階段、外廊下で、いっせいにシーンができあがっていく様子は壮観だった。最後に演壇で、県内、県外、混成の6グループが出来ばえを披露してくれたのだが、なんと来賓の教育委員チームまで登壇したのにはビックリ。お米が実り、稲穂がたれ、やがてごはんやお酒になっていく様子を一枚の絵で表現するチーム、竿灯祭りや大曲の花火で夏の秋田を表現すチームなど、多彩な表現にふれて、会場は大盛り上がりである。

4人のリハーサル 乗客・新幹線・なまはげ役で

4人のリハーサル 乗客・新幹線・なまはげ役で

参加者の柔軟性と創造性が際立つセッションだった。会場の雰囲気がほぐれた要因の一つは、ワークショップの助手をつとめてくれた先生たち―獲得研会員の小松理津子先生(秋田明徳館高校)、松井副主幹、阿部指導主事、稲川指導主事―の身体をはったデモンストレーションにある。みっちりシミュレーションを重ねる様子などみていると、いつものあかり座公演を髣髴させるものがある。

熊谷暁先生(元総合教育センター所長)によると、いま県内に荒れた学校というものがないらしい。なるほど。いまの秋田には、教室の落ち着いた雰囲気があり、研究意欲旺盛なベテラン教師の丁寧な指導があり、社会的注目の高まりがつぎの実践への意欲につながり、というような良い循環があるのだろう。

そのことと同時に、わたしがもっとも心強く感じるのは、米田進教育長をはじめとするリーダーの人たちが、「学力日本一」のその先をみすえて教育を考えていこうとしている姿である。

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