中村哲さんの講演会―「本を楽しもう会」主催

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先週の土曜日に、三鷹公会堂で中村哲さんの講演会があった。開始に先立って、ペシャワール会がつくった「緑の大地計画」のビデオを映写室からみた。この「アフガニスタン用水路が運ぶ恵みと平和」(朗読:吉永小百合)の映像が凄い。

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荒廃し砂漠化した土地に、アフガン人スタッフと人力で27キロメートルに及ぶ農業用水路を建設、すでに16000ha以上の土地を緑の沃野に甦らせている。取水堰の技術は、中村さんの故郷大牟田で江戸時代から使われている堰の技術を応用したのだという。

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中村哲さんは、雄弁の人ではない。30年以上たゆまず続けている活動の圧倒的リアリティが、会場につめかけた聴衆の心に深く静かにしみこんでくる、そんなタイプの講演だった。

DSC00016中村さんの会準備委員

講演の後に、澤地久枝さんとの対談があった。そこで澤地さんが、日本国内はこんなにもヒドイ政治状況なってしまっているが、中村さんのしている仕事のことを考えるたび、絶望するのはまだ早いと思えてくる、と語って会場から大きな拍手が起こった。澤地さんの発言は、私を含む多くの聴衆の思いでもあったようだ。

羅旭さんが秋田県庁に

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中国の大学で日本語を教えていた羅旭さんが、JETの国際交流員として秋田県庁に赴任した。相当な難関を乗り越えての就職だったようだ。

久しぶりにあった羅さんは、私の大学院のゼミ生だった頃と少しも変らない、爽やかな笑顔だった。

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待ち合わせた秋田県立美術館のあたりが、ちょうど「食と芸能大祭典」の会場になっていて、大賑わい。去年は、13万人の人出だったというが、秋田のどこにこんなに人がいたのか、というくらい混雑していた。(上は八郎潟の願人踊り、下は角館の山車)

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いくら日本語の達人とはいっても、新しい土地での新しい仕事、何かと気苦労があることだろう。ましてや羅さんは、人一倍思いやりがあり、気配りをする人である。

これから、どんどん遠慮なく周囲に相談して、ぜひ秋田で良いネットワークを築いていって欲しい、そう思ったことだった。

 

秋田の庭仕事

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5月の秋田は、爽快そのもの。微風で仕事の汗もおさまるから、このシーズンの庭仕事が大好きだ。

ところが今回はあいにくの雨模様。千葉から合流した妹と、雨合羽を着て作業する羽目になった。

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実生から大きくなったオンコを伐採したり、ヒバの高木の枝打ちをしたりしたので、東庭がずいぶん明るくなった。

今回は、電動チェーンソーが大活躍、私は給油式のものしかもっていなかったが、妹は千葉の庭でもう使っているという。ハンディなだけでなくパワーも十分ある。

二人でやると作業能率がぐんと上がるので、ついつい頑張りすぎて足腰にきたが、楽しい作業になった。

新緑の季節に

今年は、八国山に野鳥を見にいく余裕もないうちに春になった。書斎の窓から眺めるばかりで、一度も散策していないことに気づいた。

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山を眺め暮らすうちに、なんだか定点観測のような具合で、自然に、緑の変化をおいかけるようになっている。上の写真は4月10日。山桜が満開である。

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上の写真は、4月14日。山桜ははやくも葉桜だが、新緑が一番美しいころで、私はこの数日間が、一年中で一番好きだ。そして下の写真が今日、4月23日である。あっという間に、山が真みどりになっている。ハナミズキも咲いた。

こう並べてみると、いやはや、季節の移り変わりのスピードの速いことに、驚くばかりである。

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ロンドンの公園

英国がEU離脱を正式に通告した。移行に2年の時間をかけるということだが、これから両方の側が手探り状態を続けていくことになる。

スーパーの品揃えからレストランのメニューに至るまで、ロンドンが「欧州化」していく様子を長い年月観察してきた。まさかこんな時がくるとは想像していなかったが、離脱によって市民の生活がどう変わっていくのか、これからも見守っていこうと思っている。(下の写真は、ホランド・パーク。京都公園、福島公園のコーナーもある)

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ロンドンは、一日のあいだに、晴れ、曇り、雨と、天気が目まぐるしく変化する。傘をかかえて、ホランド・パークとセントジェームス・パークを歩いてみたが、同じ都市型公園でも、ずいぶん対照的な雰囲気である。

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ホランド・パークでは、近くに住む市民が、晴れ間をぬって、ゆったり散歩したり、ベンチでくつろいだりする姿がみられる。隣接するデザイン博物館の見学をしていたら、そこで働く若者グレゴリーさんに声をかけられ、彼の将来の夢についてたっぷり話を聞いた。(下の写真は、デザイン博物館の館内)

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バッキンガム宮殿に隣接するセントジェームス・パークは、はじめてだが、さすがに観光地だけあって、色んな言葉をはなす団体がひっきりなしに行きかい、賑やかである。(下の写真は、セントジェームス・パーク)

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行きがけに、最寄りのウェストミンスター寺院のまえで、なんとなしにシャッターをきった。寺院の奥に、テムズ川の対岸にあるロンドン・アイと手前にある国会議事堂が映りこんでいる。

ロンドン5 (2)

帰国後、数日して、ウォータールー橋のうえを、国会議事堂側に向かって車が暴走してくるニュース映像をみた。

日にちが少しずれていたら、ひょっとしてテロ事件にまきこまれることになったのかも知れない。

第16回高校生プレゼンフェスタ

昨日、「第16回高校生プレゼンフェスタ」(早川則男運営委員長)があった。今回のテーマは、「海外にむけて江戸・東京を発信しよう!」というもの。

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新機軸がいくつもあるが、なかでも、会場がいつもの跡見学園から、地下鉄・清澄白河駅のほど近くにある「深川江戸資料館」(江東区)に移ったことが大きい。

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ガイドさんたちの案内で、深川佐賀町の長屋や船宿などが再現された展示場を見学し、その展示場に隣接したホールでグループ・プレゼンテーションをつくる。

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参加者は、首都圏の公立・私立・インターナショナルの高校6校の生徒たち27名である。なかには2時間かけて会場にきた人もいる。

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この資料館には、説明版というものがない。そのかわり、見学者が展示品に手をふれたり、時間の流れ、鶏の声や雨音、光の移ろいを、五感で感じられたりできるように工夫している。

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「全身を使って学ぶ」というわれわれ獲得研のコンセプトにぴったりの資料館である。

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今回は、展示品そのものを、ハンズオン教材として発表の中で活用させていただいた。

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現代と江戸をどう結んで発表するのか、かなり高いハードルだが、そこは柔軟な高校生たちのこと、「君の名は。」の設定を借りてキャラクターを入れ替えるものあり、タイムスリップものあり、夢の中という設定ありで、実にやすやすとクリアしていた。

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参観者を公募したことも今回の新機軸のひとつ。おかげで、獲得研のメンバー、引率の先生と参観者、参観者同士という具合に、色んな交流も実現した。

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「振り返り」の会も、例年とは一味違ったものになった。プレゼンフェスタの枠組みそのものを心理学の視点から専門的に分析してくださる意見がでたりして、それもまた実に面白かった。

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本格的な振り返りはこれからだが、4月の例会でも色んな見方がでてくることが期待できそうである。

ロイヤル・ホロウェイ校の訪問

学年末の慌ただしさで、あちこちにご無沙汰している。ブログの件もそうで、書きたい材料はたくさんあるのだが、何しろアップする時間的余裕がない。

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先日、ロンドン大学のロイヤル・ホロウェイ校にヘレン・ニコルソン教授を訪ねた。もう10年近く前のことだが、ニコルソンさんのワークショップにでて、彼女の知的なファシリテーションに感銘を受けた。中山夏織さん訳の『応用ドラマ―演劇の贈りもの』(而立書房)を読むと、彼女の学術的背景がよくわかる。

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ロイヤル・ホロウェイ校のキャンパスは、ウォータールー駅から急行で30分あまり、最寄り駅からさらにタクシーで5分ばかりいった小高い丘の上にある。建物も立派だが、校内であう学生、あう学生が、みな親切で落ち着いた印象である。

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ひょっとしたら日本の外にある唯一の能楽堂ではないか、という舞台も案内していただいた。ロシア、インドネシアの演劇に関する科目も用意されているというから、ロイヤル・ホロウェイ校のシアター、ドラマ専攻は相当に多文化的なコースである。

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リテラシー重視の教育政策の下で、ドラマ教育を含む芸術系の科目は、イギリスの小中高校、どこでも苦戦を強いられている。学校教育のそうした状況がもうしばらく続いている。

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ただ、同校についていうと、もともとドラマ教師の養成を主としているわけではないので、影響は限定的なものらしい。むしろ、“創造性”をたっぷり身に着けた卒業生たちが、色んなジャンルで活躍している、ということだった。

『世界』3月号の教育特集

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『世界』(岩波書店)の3月号に、「アクティブ・ラーニングは可能か」という一文を寄せている。“「学び方改革」の視座”と題する特集の一環で、これは2020年から実施される学習指導要領の改訂をにらんだ企画である。

『世界』が教育問題をテーマにして大きな特集を組むのは珍しい。私が以前かかわった特集では、なんといっても“総合学習大丈夫? 学校の新しいかたちを考える”(2002年6月号)が印象深い。その時に寄稿した論考が「総合学習に展望はあるか」で、教育雑誌に投稿したときとはまた違う層の人たちから反響があったからだ。まだICU高校の教師だったころのことである。

あれから15年たつが、この15年の間に、日本の言論状況そのものがすっかり様変わりした。『論座』や『展望』などの総合雑誌が相次いで撤退し、その一方で、民主主義の危機が当時よりも明らかに深刻の度を増している。その分、『世界』に期待される役割が大きくなったということだ。

ましてやこのところの社会情勢である。トランプ問題、憲法問題、沖縄問題、経済格差と貧困化、原発問題等々、限られた誌面のなかで取り上げるべき喫緊の課題がいくらもある。

それらのテーマに比べると、教育問題は一見して緊急性が乏しいテーマのようにも見える。確かにそうかもしれない。ただ総合雑誌には、アップツーデートな課題を取り上げると同時に、中長期的なスパンで考えるべき事柄を提起して言論の歴史に爪痕を残していく役割もある、と思っている。

その意味で、今回、『世界』の編集部が教育問題で特集を組む、という見識を示したことに、改めて敬意を表したい。

2度目の餃子パーティー

先週の16日が、卒業論文・修士論文の提出日、なんとその当日にゼミの餃子パーティーがあった。会場は大学のカフェテリアである。

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〆切当日にこうした催しをやるのは初めてだ。今回も卒論幹事の金梅さんが、準備を一手に引き受けてくれた。

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事前に皮や具の下ごしらえがちゃんとしてあるだけでなく、当日も、提出する卒論と一緒に、コンロ、鍋、作業道具、調味料のはてまで、すべて金さんが家から持参してくれたのだという。

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たいがい卒論・修論を提出するだけでも青息吐息のはずなのに、2つの仕事を何事もなかったようにこなしてしまう。なんとも凄い人である。

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さすがに2回目ともなると、われわれの作業スピードも格段にアップする。中国の餃子事情を聞いたりして、ワイワイやっているうちに、30分ほどで150個の餃子が完成してしまった。

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皮から手作りだから、食感といい味といい言い申し分なし。すっかり堪能してから、あらためて飲み屋に移動、お酒とおしゃべりもゆっくり楽しんだ。

こんなこともできるのかと目からウロコの楽しい一日だった。

一年半ぶりの那覇

2015年の8月に「不屈館 瀬長亀次郎と民衆資料」でやったあかり座公演以来だから、一年半ぶりである。

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よほどのことがない限り、滞在中に一度は沖映通りにあるジュンク堂によることにしている。モノレールの見栄橋駅からほど近い場所だ。

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お目当ては2階の沖縄本コーナー。ラインアップが素晴らしい。上の写真に写っている棚全部が琉球・奄美関係の本で埋まっている。ジャンルも多彩で、考古学の成果に始まり、琉球王朝時代を扱ったもの、戦前・戦中・戦後の沖縄の歴史や国際関係を対象とするもの、ことば、習俗、芸能、工芸、食文化、街歩きガイド・・・、重いものから軽いものまで、実に充実している。その大部分が地元の出版社の本だからまた凄い。

これだけ豊かな出版文化があるということは、もちろん琉球王朝以来の民度の高さを示してもいるだろうが、その一方で、過酷すぎる歴史のしからしむるところではないのか、とも思う。片端から読みたいのだが、残念ながらしばらくは時間がとれそうもない。

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沖縄では、ここ何年も観光地然としたところに近寄らなくなっている。その代わり、ちょっと時間がとれると、何でもない通りを歩いて、地元の人がいく普通のお店で食事をとる。

今回も感じの良い沖縄そばのお店にぶつかった。それで、次回もここにきてみようかな、などと考えている。